人を殺して刑務所に入る？無は無限大？

　18歳の少年が岡山で38歳の地方公務員をホームから線路上に突き落とし殺すという事件が報道されましが、殺人の直接の動機は刑務所に入りたいというものでした。
　刑務所に入りたいから人を殺す。この発想が何処から生まれるのか、真剣に調べるべきだと思いますがどうでしょう。
　刑務所に入る、人を殺すという発想は彼独自のものではなく、彼が生まれてから今日のこの日に至るまでに、彼自身の中に刷り込まれてきた物のはずです。狼に育てられた少年が狼少年と呼ばれたように。
　私が22歳も過ぎたと思う頃、確かな年代は思い出せませんが、大阪で働いていた頃、会社こそ違うが同じ職場で、TVカメラケーブルアシスタントとして働いていた友人が、タクシイ強盗をして刑務所に入り、出所した後、排気ガスを乗用車の中に引き込み自殺するという事件がありました。同じ職場の先輩に事件を聞き、2人で刑務所に面会に行きましたが、彼が出所して自殺したという報告を職場の友人から聞くまでに、どれほどの月日が経っていたかはもう思い出せません。彼は沖縄空手が自慢の沖縄出身者でした。
　人を殺して刑務所に入るということの重大さを18歳の彼は理解していたのでしょうか？
　3月24日の中日新聞の社説に、無は無限大だから、と書かれていました。無はゼロ、無は何も無いという事ではなく、無限の可能性を持った無限大に通じるとありました。しかし無と無限大、これは相容れない事象だと思います。
　そもそも無限大の発生は理論の破綻を意味する、理論物理学などでは昔から言われていることです。
　相対的な存在が何もない、いわゆる超対称性の状態に揺らぎが発生して、膨大なエネルギーが生まれ誕生したのが現在の宇宙です。熱エネルギーが状態を変え運動エネルギーと変化してゆく過程で現在の宇宙空間が発生したわけです。エネルギーは有限です。無限大のエネルギーでは時間も空間も生まれてこない。無限大という観念は人間が作った観念でしかない。無意味なものです。無はないということですが後に付く言葉で何がないのか言い表しています。
　無意識とは、絶対的意識（神、権力）から自己を開放することを意味しています。宇宙には中心はなく膨張も収縮も相対的な現象です。